キャッシュ・フロー計算書 間接法② 非資金損益項目





はじめに

キャッシュ・フロー計算書 間接法全体像

キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法は、下記の図のように営業キャッシュ・フローの小計までが異なり、小計以降は同じ様式・計算方法になります。

CF間接法 全体像


間接法 調整項目

間接法の調整項目は次の3つがあります。
①営業外損益、特別損益
②非資金損益項目
③資産・負債の増減

最初に①営業外損益、特別損益をみていきました。
次に②非資金損益項目を見ていきます。
1キャッシュフロー非資金項目

 






資料

10CF非資金項目 BS

11CF非資金項目 PL






減価償却費

減価償却費は、お金の増減のない費用のため、調整をします。
税引前当期純利益から始まる間接法で、費用として減額しているためP/Lの減価償却費からの数字を加算します。
20キャッシュフロー非資金項目(減価償却費)





貸倒引当金の増減額

P/Lの貸倒引当金繰入ではなく、B/Sの前期末と当期末の増減額になります。
なぜB/Sの前期末と当期末の増減額からなのか見てみましょう。


調整額はなぜB/Sからなのか

P/Lでは貸倒引当金繰入は50ですが、B/Sでは貸倒引当金は45しか増えていません。
P/Lからはわからない仕訳があるのです。

P/Lでは50、B/Sでは45の増加で一致しない差額は、債権の貸倒5があったと考えられます。
それでは、期中の貸倒れと、決算時の貸倒引当金を仕訳でみてみます。

期中

貸倒引当金 5   売掛金 5

決算時(差額補充法)

貸倒引当金繰入 50  貸倒引当金 50

上記から現金取引がないので、P/L税引前当期純利益から始まるC/F間接法では、上記の仕訳から貸倒引当金繰入だけを除去すればいいはずです。


売上債権の増減額が影響

しかし、売上債権の増減額で貸倒引当金繰入により、期中に貸倒した仕訳

貸倒引当金 5   売掛金 5

により、売上高5が除去不足しています。
売上債権の増減額の記事を新しいタブで開く

30キャッシュフロー非資金項目(貸倒引当金)

そのため、C/F間接法を一致させるためには、
P/Lの貸倒引当金繰入金額だけでなく、貸倒分も考慮しなければなりません。

貸倒引当金 5   売掛金 5

B/Sの貸倒引当金増減額を計上します。
結果、45となります。

31キャッシュフロー非資金項目(貸倒引当金)PL





退職給付引当金の増減額

仕訳の流れは次のようになります。

退職金の支払
退職給付引当金 XXX 現金預金 XXX

退職給付費用 計上
退職給付費用 XXX 退職給付引当金 XXX


退職給付費用 除去

間接法では、

退職給付費用 150 退職給付引当金 150

が含まれています。
この仕訳は現金の動きはない仕訳です。

そのためC/F間接法から除去します。
退職給付費用は費用なので、除去するということはプラス要因です。
42キャッシュフロー非資金項目(退職給付引当金)退職給付費用 除去


退職金支払

退職給付引当金 50 現金預金 50

退職金の支払が発生しているので計上します。
退職金の支払なので、現金のマイナス要因です。
43キャッシュフロー非資金項目(退職給付引当金)退職金 支払


退職給付費用と退職金支払 合算

以上のことから、
退職給付費用-退職金支払
となります。

44キャッシュフロー非資金項目(退職給付引当金)退職給付 合算
この動きは、B/Sの退職給付引当金の増減を見ることでわかります。
しかし、B/Sの増減でなぜ上記の調整できるか。
そちらを見ていきます。




退職給付引当金 なぜB/Sの増減で調整できるか

退職給付費用計上による退職給付引当金増加
上記の結果から、「退職給付費用発生は、C/F間接法をプラスさせる」ことがわかりました。
ということは言い換えれば、「退職給付引当金の増加は、C/F間接法をプラスさせる」 ということになります。
41退職給付

42キャッシュフロー非資金項目(退職給付引当金)退職給付費用 除去



退職金支払による現金支払
上記の結果から、「退職金の現金支払は、C/F間接法をマイナスさせる」 ことがわかりました。
41a退職給付(支払)

43キャッシュフロー非資金項目(退職給付引当金)退職金 支払


結果

このようにB/S退職給付引当金の増減額を計上することにより、現金の動きがない退職給付費用を除去し、現金の動きである退職給付引当金を計上することになります。

42退職給付

44キャッシュフロー非資金項目(退職給付引当金)退職給付 合算

 

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