法定三帳簿
法定三帳簿とは、
- 労働者名簿
- 賃金台帳
- 出勤簿
の3つをいいます。
労働基準法で作成と保管が義務づけられているもので、事業規模に関わりなく従業員を1人でも雇った場合には必ず作成する必要があります。
提出が求められる
法定三帳簿は労務トラブルが発生した発生したときに必ず提出を求められるので、作成しておくことで事実の証明が容易になります。
労働基準監督署の監査が入った場合、提出が求められることがあります。
法定三帳簿の作成や保管を怠った場合は、30万円以下の罰金が科されます。
労働者名簿
労働者名簿は事業場単位で作成する必要があります。
労働者名簿に記入する内容
- 氏名
- 性別
- 生年月日
- 現住所
- 雇入年月日
- 従事する業務の種類(従業員30人未満は記入不要)
- 履歴(社内での業務履歴)
- 解雇・退職または死亡年月日、事由(退職の事由が解雇の場合はその理由も含む)
保存期間
労働者名簿は、起算日(従業員の死亡、退職、解雇日)から3年間保存しなくてはいけません。
賃金台帳
賃金台帳には、給与計算に関わる時間外労働(残業)時間数やその月の給与額等を、給与支払いのたびに記入します。
紙だと膨大な量になるため、パソコン等で管理することが認められています。
賃金台帳に記入する事項
賃金台帳に記入する事項は、
- 氏名
- 性別
- 賃金計算期間
- 労働日数
- 労働時間数
- 時間外労働、休日労働および深夜労働の時間数
- 基本給、手当その他賃金の種類ごとにその金額
- 労使協定により賃金の一部を控除した場合はその金額
賃金台帳の保存期間
労働法では、最後に記入した日から3年間保存しますが、税務署類として源泉徴収簿を兼ねる場合は7年間保存が必要です。
出勤簿
出勤簿は、すべての従業員について、出勤した日、勤務時間、残業時間などを把握し、給与計算の基本となる情報を記録するものです。
労働者名簿や賃金台帳のように記載事項は決められていないので、タイムカードを出勤簿としても問題ありません。
出勤簿に記入する事項
- 氏名
- 出勤日
- 日別の始業・終業時刻
- 休憩時間
- 時間外労働時間
- 休日労働時間
- 深夜労働時間
出勤簿の保存期間
出勤簿やタイムカード等の労働時間の記録に関する書類は、従業員が最後に出勤した日から3年間保存しなければなりません。
ただし労働基準法では、退職金の請求権の時効が5年と定められているので、出勤簿と賃金台帳は5年保存した方がよいかもしれません。