はじめに
キャッシュ・フロー計算書で直接法と間接法はなぜ一致するのか。
これを見ていきます。
記事を
①営業収入
②商品仕入
③人件費支出(退職給付引当金、給与・賞与)
④その他営業支出、間接法のみの調整
の4記事に分けています。
本記事では、③人件費支出(退職給付引当金、給与・賞与)を記述します。
資料
退職給付引当金
仕訳の流れは次のようになります。
退職給付引当金 XXX / 現金預金 XXX
退職給付費用 計上
退職給付費用 XXX / 退職給付引当金 XXX
退職金支払
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
退職給付引当金 | 50 | 現金預金 | 50 |
退職金支払は50なので、直接法と間接法にあてはめます。
現金支払いのため、マイナス計上となります。
退職給付費用 除去
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
退職給付費用 | 150 | 退職給付引当金 | 150 |
間接法では、税引前当期純利益から始まっています。
その内訳として、上記の退職給付費用を含んでいます。
しかし、この仕訳からお金の動きはありません。そのため除去する必要があります。
退職給付費用は費用なので、除去するということはマイナス要因となります。
退職金支払が△50、退職給付費用除去150、合計で100となります。
給与・賞与
給与・賞与の現金支払
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
給与・賞与 | 1,000 | 現金預金 | 1,000 |
直接法
給与・賞与現金支払が1,000なので、直接法にあてはめます。
現金の支払のため、マイナス計上となります。
間接法
間接法ではすでに税引前当期純利益に含まれています。
お金の動きがある仕訳なので、何も手を加えることはしません。
人件費 合計
直接法は、退職金支払△50、賞与・給与支払△1,000、合計で△1,050となりました。
間接法は、退職関連100、賞与・給与支払は計上済みで0、合計で100となりました。
直接法、間接法の一致の検証
最後に直接法と間接法の小計が一致しているかを検証します。
前回の記事で営業収入と商品仕入支出、今回の記事で人件費支出が完成しました。
間接法は、期首商品棚卸高、期末商品棚卸高、退職給付費用以外の販管費が含まれているので、逆算して除去します。
結果、直接法と間接法の小計が一致しました。