はじめに
キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法は、下記の図のように営業キャッシュ・フローの小計までが異なり、小計以降は同じ様式・計算方法になります。
本記事では、直接法と、間接法同じ様式・計算方法の営業活動によるキャッシュ・フロー計算書の小計以下を見ていきます。
受取利息及び配当金の受取額
まず仕訳から見ていきます。
受取利息 XXX 未収利息 XXX
受取利息入金時
現金預金 XXX 受取利息 XXX
受取利息 未計上分
まだ入金されていない期末受取利息を計上します。
未収利息 XXX 受取利息 XXX
上記仕訳から流れをあらわすと
となります。
未収利息はないため、P/Lの受取利息=現金受取利息ですが、今回は、式に当てはめていきます。
前期末、当期末
今回は、前期末、当期末の未収利息はないため、0となります。
P/L受取利息
損益計算書からP/L受取利息は140とわかります。
受取利息現金受取
受取利息現金受取以外の数字は当てはまりました。
受取利息現金受取をXとして求めます。
0+X+0=140
→X=140
となります。
結果、受取利息現金受取は140となりました。
間接法の場合
間接法では、受取利息および配当金が、小計を挟んで上下に発生します。
小計より上の科目、受取利息及び配当金は、税引前当期純利益から始まる間接法では、営業外収益であるので除去するために行いました。
それに対し小計より下の科目、利息及び配当金の受取額は、お金の動きがあるものになります。
今回の例では、未収利息及び配当金は発生しなかったため、2つの科目は符号は異なりますが、同じ金額になりました。
しかし、未収が発生する場合には、異なる金額になる場合が多いので注意が必要です。
利息の支払額
まず仕訳から見ていきます。
未払利息 XXX 支払利息 XXX
支払利息支払
支払利息 XXX 現金預金 XXX
期末 支払利息 未計上分
まだ支払されていない期末支払利息を計上します。
支払利息 XXX 未払利息 XXX
上記仕訳から流れをあらわすと
となります。
それでは式に当てはめていきます。
前期末、当期末
未払計上がないため、P/L支払利息=支払利息現金支払となりますが、今回は公式にあてはめます。
P/L利息の支払
損益計算書からP/L支払利息は20とわかります。
支払利息 現金支払
支払利息現金支払以外の数字は当てはまりました。
支払利息現金支払をXとして求めます。
0+X+0=20
X=20
となります。
結果、支払利息現金支払は20となりました。現金の支出のため△20となります。
間接法の場合
間接法では、支払利息が、小計を挟んで上下に発生します。
小計より上の科目、支払利息は、税引前当期純利益から始まる間接法では、営業外費用であるので除去するために行いました。
それに対し小計より下の科目、利息の支払額は、お金の動きがあるものになります。
今回の例では、未払利息は発生しなかったため、2つの科目は同じ金額になりました。
しかし、未払が発生する場合には、異なる金額になる場合が多いので注意が必要です。
法人税等の支払額
まず、法人税の流れを確認します。
決算日は3月です。
前期末分の未払法人税等の支払なので、金額は前期末となります。
未払法人税等 XXX 現金預金 XXX
法人税等中間納付 支払
当期分の法人税等中間納付の支払です。
B/S、P/L上から支払額はわかりません。
仮払法人税等 XXX 現金預金 XXX
未払法人税等 計上
法人税等の支払額が確定しました。
8月に中間納付したので、差し引いた金額が、未払法人税等になります。
法人税等 XXX 未払法人税等 XXX
仮払法人税等 XXX
上記仕訳から流れをあらわすと
となります。
よりわかりやすく整理すると、
となります。
それでは式に当てはめていきます。
前期末、当期末
前期未払法人税等支払
前期未払法人税等支払は、未払法人税等前期末残高の数字になります。
P/L法人税等
法人税等中間納付
法人税等中間納付以外の数字は当てはまりました。
法人税等中間納付はB/S、P/LからはわからないのでXとして求めます。
(400-400)+(800-X)=600
→‐X=600-800
→X=200
となります。
結果、法人税等中間納付は200となりました。
法人税等の支払額
法人税等の支払額は、
・前期未払法人税等支払
・法人税等中間納付支払
を合算したものになります。
400(前期未払法人税等支払)+200(法人税等中間納付支払)=600
結果、法人税等の支払額は600となりました。現金の支払いのため△600となります。