直接法とは
減価償却を行う額だけ、有形固定資産の取得原価から直接減少させていく方法です。
間接法とは
減価償却額を減価償却累計額 勘定で計上する方法です。
定額法とは
資産の耐用年数にわたり、毎期一定の金額ずつの減価償却費を行う方法です。
計算式は、下記のようになります。
取得原価÷耐用年数
定率法とは
取得原価から減価償却累計額を除いた金額に償却率を乗じて減価償却を行う方法です。
償却率は、1を耐用年数で割り、定率法償却率(200%)をかけたものになります。
計算式は、下記のようになります。
(取得原価-減価償却累計額)×償却率(1÷耐用年数×2)
生産高比例法とは
資産の利用度に応じて原価配分を行う減価償却方法です。
将来の総利用可能量を推定したものを分母とし、各期の実際利用料を分子とします。
自動車など走行距離で予定される処分が割り出せる場合に使用することができます。
計算方法は、下記のようになります。
取得原価×各期の実際利用量÷総利用可能量
級数法とは
耐用年数に基づいて計算した算術級数を利用する減価償却方法です。
計算式は、下記のようになります。
取得原価×(期首残存耐用年数÷項数※)
※項数=[耐用年数×(耐用年数+1)]÷2
もしくは、耐用年数から1年目までさかのぼった全て足した総数
例:5年の耐用年数の項数15=(1+2+3+4+5)
減価償却費の会計処理
直接法
当期首に購入した機械1,000円の減価償却費が100だった場合。
有形固定資産から直接減少させます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 100 | 機械 | 100 |
間接法
当期の減価償却費が100だった場合
有形固定資産は、減価償却累計額の科目をもって間接的に減少させます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 100 | 減価償却累計額 | 100 |
減価償却費の計算方法
定額法
当期首に購入した機械1,000円、耐用年数5年、間接法で仕訳。
1年目
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 200① | 減価償却累計額 | 200 |
①1,000(機械の取得原価)÷5(耐用年数)
2年目
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 200① | 減価償却累計額 | 200 |
①1,000(機械の取得原価)÷5(耐用年数)
定率法
当期首に購入した機械1,000円、耐用年数5年、定率法償却率(200%)、間接法で仕訳。
1年目
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 400① | 減価償却累計額 | 400 |
①1,000(機械の取得原価)×[1÷5(耐用年数)×2]
2年目
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 240① | 減価償却累計額 | 240 |
①[1,000-400(減価償却累計額)]×[1÷5(耐用年数)×2]
級数法
当期首に購入した機械1,000円、耐用年数5年、間接法で仕訳。
端数は切り捨て処理。
1年目
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 333① | 減価償却累計額 | 333 |
①項数=[5(耐用年数)×(5(耐用年数)+1]÷2=15
1,000(機械の取得原価)×5(期首残存耐用年数)÷15(項数)
2年目
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 266① | 減価償却累計額 | 266 |
①1,000(機械の取得原価)×4(期首残存耐用年数)÷15(項数)
未稼働、遊休設備
未稼働設備
未稼働の機械100がある
機械の償却は、定額法で5年、残存価額はゼロで処理している。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕訳なし① |
①未稼働設備は減価償却をおこないません。
遊休設備
遊休の機械200がある
機械の償却は、定額法で5年、残存価額はゼロで処理している。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却費 | 40① | 減価償却累計額 | 40 |
①200÷5
遊休設備の減価償却は営業外費用となります。