繰延・見越
はじめに
仕訳の流れ
仕訳の流れは下記のようになります。
支払保険料 xxx 前払保険料 xxx
期中(支払時)
支払保険料 xxx 現金預金等 xxx
決算整理
前払保険料 xxx 支払保険料 xxx
下記の残高試算表に載っている支払保険料の数字は、決算整理前なので、関係する仕訳は、
期首
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
支払保険料 | XXX | 前払保険料 | XXX |
期中(支払時)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
支払保険料 | XXX | 現金預金等 | XXX |
となります。
それでは、1年間の支払保険料の算定方法から見ていきます。
資料
保険料は毎期同額を10月1日に1年分を前払い
期首
仕訳
期首の仕訳は、前期末に決算整理仕訳を戻した仕訳です。
当期
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
支払保険料 | XXX | 前払保険料 | XXX |
↑
前期
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
前払保険料 | XXX | 支払保険料 | XXX |
前期末分
それでは、前期末決算整理仕訳では、保険料の何ヶ月分を振り替えたのでしょうか。
時系列でみていきます。
下記のように当期の1月1日~9月30日の9ヶ月間を戻しています。
当期首
ということは、期首の振替では、9ヶ月分の支払保険料が含まれているという事です。
期中(支払時)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
支払保険料 | xxx | 前払保険料 | xxx |
10月に1年分を支払っているので、12ヶ月分が含まれていることになります。
結果
支払保険料は何ヶ月分か
上記の結果から、決算整理前残高試算表の支払保険料には、21ヶ月分が含まれていることがわかりました。
当期首振替:9ヶ月
当期中支払:12ヶ月
計:21ヶ月
これで、1年分の保険料はいくらかを求めていきます。
1年分の保険料はいくらか
1か月分算定
最初に1か月分を出します。
決算整理前残高試算表の支払保険料2,100が、21ヶ月分なので、
決算整理前残高試算表の支払保険料÷21ヶ月で
2,100÷21=100
となり、保険料1ヶ月分は100とわかりました。
1年分算定
次に、毎年1年分払っているので、12ヶ月かけます。
100(1ヶ月分)×12ヶ月=1,200
これで、保険料1年分は1,200とわかりました。
決算整理後残高試算表
最後に決算整理後残高試算表まで作成します。
当期の10月に1年分の保険料を計上しています。
しかし、翌期の1月から9月分まで支払は翌期の費用なので、戻します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
前払保険料 | 900① | 支払保険料 | 900 |
①100(1ヶ月保険料)×9ヶ月分
決算整理後残高試算表
結果、決算整理後残高試算表は下記のようになりました。