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連結会計 ④未実現利益の消去(期末棚卸) アップストリーム

連結会計の期末棚卸資産、未実現の消去の流れを見ていきます。
この記事の仕訳は、本記事の主目的である、未実現の消去の期末棚卸を中心に見ていきます。
またなぜ、未実現利益消去時に税効果会計を適用するかを検証していきます。

それでは仕訳を見ていきます。法定実効税率は40%とします。

2期目

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2期目 期中

親会社が子会社へ売上時

親会社

借方 金額 貸方 金額
売掛金 80 売上 80

子会社が親会社から仕入時

子会社

借方 金額 貸方 金額
仕入 80 買掛金 80
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個別 決算時

売上原価の算定

親会社

借方 金額 貸方 金額
仕入 300 繰越商品 300
繰越商品 200 仕入 200

子会社

借方 金額 貸方 金額
仕入 100 繰越商品 100
繰越商品 80① 仕入 80

①すべて親会社からの仕入分

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連結修正仕訳



売上、売上原価の相殺

連結会社間での取引の売上原価、商品の相殺を行います。
子会社の期末商品80はすべて親会社からの仕入分

借方 金額 貸方 金額
売上原価 80 商品 80

法人税等調整額の計上

法定実効税率をかけたものと不一致
連結精算表の税引後当期純利益232と、税引前当期純利益440に法定実効税率40%をかけた結果の税引後当期純利益264と不一致生じています。
これは連結修正により、費用の減額を計上したにもかかわらず、法人税等はすでに会社別で確定しているため、変動しないことから不一致が生じています。

法人税等調整額を計上
法人税等調整額を計上することにより、調整します。

借方 金額 貸方 金額
繰延税金資産 32 法人税等調整額 32①

①売上原価80×40%(法定実効税率)

非支配株主持分負担

連結修正仕訳による損益変動分を、持株比率で非支配株主に振替
費用80(売上原価)-費用32(法人税等調整額の減額)=費用48
利益48に支配株主持分割合20%を非支配株主持分に増額します。
小数点以下は切捨。

借方 金額 貸方 金額
非支配株主持分当期変動額 9 非支配株主損益 9①

①48×20%=9.6→9

上記で2期目を見ました。
次ページで翌期(3期目)を見てきます。
当期末仕訳が翌期首仕訳で変わっていくところを注目してください。

3期目

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3期目 開始仕訳

●前期末仕訳

費用→利益剰余金当期首残高

借方 金額 貸方 金額
利益剰余金当期首残高 80 商品 80
繰延税金資産 32 利益剰余金当期首残高 32
非支配株主持分当期変動額 9 利益剰余金当期首残高 9①

借方 金額 貸方 金額
売上原価 80 商品 80
繰延税金資産 32 法人税等調整額 32
非支配株主持分当期変動額 9 非支配株主損益 9①

〇実現仕訳

前期末商品が販売されたと仮定し、逆仕訳を行います。

借方 金額 貸方 金額
商品 80 売上原価 80
法人税等調整額 32 繰延税金資産 32
非支配株主損益 9 非支配株主持分当期変動額 9

↑逆仕訳
前期末仕訳

借方 金額 貸方 金額
売上原価 80 商品 80
繰延税金資産 32 法人税等調整額 32
非支配株主持分当期変動額 9 非支配株主損益 9①

単純合算(●前期末仕訳+○実現仕訳)

借方 金額 貸方 金額
利益剰余金当期首残高 80 商品 80
繰延税金資産 32 利益剰余金当期首残高 32
非支配株主持分当期変動額 9 利益剰余金当期首残高 9①
商品 80 売上原価 80
法人税等調整額 32 繰延税金資産 32
非支配株主損益 9 非支配株主持分当期変動額 9

↓相殺

借方 金額 貸方 金額
利益剰余金当期首残高 39 売上原価 80
法人税等調整額 32
非支配株主損益 9
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期中

親会社が子会社へ売上時

親会社

借方 金額 貸方 金額
売掛金 160 売上 160

子会社が親会社から仕入時

子会社

借方 金額 貸方 金額
仕入 160 買掛金 160
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個別 決算時

売上原価の算定

親会社

借方 金額 貸方 金額
仕入 200 繰越商品 200
繰越商品 400 仕入 400

子会社

借方 金額 貸方 金額
仕入 80 繰越商品 80
繰越商品 160① 仕入 160

①すべて親会社からの仕入分

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連結修正仕訳

売上、売上原価の相殺

連結会社間での取引の売上原価、商品の相殺を行います。
子会社の期末商品160はすべて親会社からの仕入分

借方 金額 貸方 金額
売上原価 160 商品 160

法人税等調整額の計上

法定実効税率をかけたものと不一致
連結修正により、税引前当期純利益が360にもかかわらず、法人税等は208となっており当期純利益が法定実効税率をかけたものと異なっています。
これは、連結修正で売上原価160を減額したことによります。

法人税等調整額を計上
法人税等調整額を計上することにより、調整します。

借方 金額 貸方 金額
繰延税金資産 64 法人税等調整額 64①

①売上原価160×40%(法定実効税率)

非支配株主持分負担

連結修正仕訳による損益変動分を、持株比率で非支配株主に振替
費用160(売上原価)-収益64(法人税等調整額の減額)=費用96
費用96に支配株主持分割合20%を非支配株主持分に増額します。
小数点以下は切捨。

借方 金額 貸方 金額
非支配株主持分当期変動額 19 非支配株主損益 19①

①48×20%=19.2→19

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