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(当期純)利益とお金のズレはなにか?

1年間経営をして、本日、顧問税理士事務所の人が来ました。

顧問担当者

こちらが、〇年度の貸借対照表と損益計算書になります。

経営者

お、〇年度の当期純利益は1,000万円か。
これを元手に、1,000万円の機械を買って更に増産するか!

 

顧問担当者

しかし社長。実際の現金はそこまでありません。

経営者

利益が増えた分は、そのまま現金に反映するわけではないのか。

顧問担当者
そのとおりです。
それでは、(当期純)利益の数字と、現金預金のずれを見ていきましょう。

 

このずれを見ていくには、キャッシュフロー計算書の間接法を理解していると、説明ができます。
それでは、簡単な仕訳で、「利益」と「お金」のズレを見ていきましょう。

(わかりやすくするため税金も考えない!)

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仕訳

仕入

当期、商品を500万円仕入れた。
うち、50万円未払い。

借方 金額(万円) 貸方 金額(万円)
仕入 500 現金預金 450
買掛金 50

 

売上

当期、1,510万円売上げた。
うち、150万円未入金。

借方 金額(万円) 貸方 金額(万円)
現金預金 1,360 売上 1,510
売掛金 150

 

減価償却費

期末に減価償却費10万円を計上した。

借方 金額(万円) 貸方 金額(万円)
減価償却費 10 減価償却累計額 10

これで、1年の仕訳ができました。
実際に貸借対照表、損益計算書を見ていきましょう。

 

貸借対照表、損益計算書

貸借対照表
現金預金 80 買掛金 50
売掛金 150
有形 固定資産 30 純資産
減価償却累計額 △ 10 資本金 200
総資産 250 負債・純資産合計 250
損益計算書
売上 1510
仕入 500
売上総利益 1010
減価償却費 10
営業利益 1000
税引前当期純利益 1000
税引後当期純利益 1000

 

それでは、ひとつずつ仕訳からキャッシュ・フロー計算書の間接法を見ていきます。

 

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キャッシュ・フロー計算書(間接法)

税金等調整前当期純利益から始まるということは?

キャッシュ・フロー計算書の間接法は、税引前当期純利益から始まります。

税金等調整前当期純利益

ということは、

となります。

言い換えれば、
税金等調整前当期純利益 1,000
の内訳は、
・売上 1,510
・仕入 -500
・減価償却費 -10
ということになるのです。

ここから、現金の収入、支出していないものを調整していくのです。
このように考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

それでは1科目ずつ見ていきましょう。

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減価償却費

それではまず、
税金等調整前当期純利益 1,000
の内訳は、
・売上 1,510
・仕入 -500
・減価償却費 -10
となっている中で
減価償却費を見ていきましょう。

 

減価償却費の仕訳

借方 金額(万円) 貸方 金額(万円)
減価償却費 10 減価償却累計額 10

このように、減価償却費は費用でありますが、現金の収支には、関係してきません。
そのため、すでに税金等調整前当期純利益で計上してある減価償却費はどうしたらよいでしょうか。

邪魔なので、消してしまいましょう!

でも消すにはどうしたら良いでしょうか。
減価償却費は費用なので、マイナスです。
マイナスを消すにはそう、プラスしてあげればよいのです。
するとこうなります。

税金等調整前当期純利益 1,000
減価償却費 10
小計 1,010

はい! 1つずつやっていくとわかりやすいですね。

次に売掛金が発生する場合を見ていきましょう。


売上

売上を考えるうえで、未収入金である売掛金、棚卸資産を同時に関係してきます。
しかし、いきなりこの2つを織り込んで考えるのではなく、まずシンプルに
1.現金取引であった場合の売上に対するキャッシュ・フロー
をみていき、
2.売掛金が発生する場合(前期売掛金なし)の売上に対するキャッシュ・フロー
3.売掛金が発生する場合(前期売掛金あり)の売上に対するキャッシュ・フロー

をみていきます。

 

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売上:現金取引のみの場合

当期、1,510万円売上げた。

借方 金額(万円) 貸方 金額(万円)
現金預金 1,510 売上 1,510

売上の数字=現金

という形なので、税金等調整前当期純利益の構成の1つである、売上の調整は必要ありません。

しかし、会社の取引では、必ずと言っていいほど、売掛金が発生します。
その場合を見ていきましょう。

 

 

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売上:売掛金発生する場合(前期に売掛金なし)

当期、1,510万円売上げた。
うち、150万円未入金。

借方 金額(万円) 貸方 金額(万円)
現金預金 1,360 売上 1,510
売掛金 150

売上1,510のうち、150は入金されていないということです。

なので、税金等調整前当期純利益の構成の1つである、売上1,510から未入金分150差し引く必要があります。

すなわち、期末に残っている売掛金分が、未入金でありその金額を差し引く必要があるのです。

売上は、売掛金発生する場合(前期に売掛金なし)

当期、1,510万円売上げた。
うち、150万円未入金。

借方 金額(万円) 貸方 金額(万円)
現金預金 1,360 売上 1,510
売掛金 150

売上1,510のうち、150は入金されていないということです。

なので、税金等調整前当期純利益の構成の1つである、売上1,510から未入金分150差し引く必要があります。

すなわち、期末に残っている売掛金分が、未入金でありその金額を差し引く必要があるのです。

今回は、前期に売掛金がない場合でした。

では、前期に売掛金があった場合にはどうでしょうか。

 

 

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売上:売掛金発生する場合(前期に売掛金あり)

当期、1,510万円売上げた。
うち、150万円未入金(売掛金)。
前期の売掛金50の残高あり。

売上1,510のうち、150は入金されていないということです。

なので、税金等調整前当期純利益の構成の1つである、売上1,510から未入金分150差し引く必要があります。

 

前期売掛金あり

しかし! ちょっと待ってください。
今回は、前期にも売掛金50が残っています。
わかりやすく仕訳で流れを見ていきましょう。

売掛金
期首残高:50
期末残高:150

前期売掛金 入金分
現金預金 50 売掛金 50

当期売上
現金預金 1,360 売上 1,510
売掛金 150

 

ここから
前期売掛金入金50+売上1,510-売上の未入金(売掛金)150
が成り立ちます。

と、いうことは・・・

式の順番を変えるとこのようになります。

売上1,510+(前期売掛金残50-当期売掛金残150)

結論

キャッシュフロー計算書の間接法では、売上1,510が計上されているので、

BSの
売掛金前期末残ー当期売掛金残
を計上します。

 



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