はじめに
社債を購入したときには会計上、有価証券となります。
そして目的によって下記のように会計処理が分かれます。
・売買目的有価証券
・満期保有目的債権
・その他有価証券
それでは、事例をもとに1つずつみていきます。
売買目的で購入した場合
売買目的で購入した社債は、期末時点は時価評価となります。
購入時
社債1株90を10株購入。額面金額は1株100
購入目的は価格の値上がりを期待した売買目的による取得。
売買目的なので、仕訳は
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 有価証券 | 900① | 現金預金 | 900 |
①1株90×10株

配当金入金時
配当金15を受取った。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金預金 | 15 | 有価証券利息 | 15 |
決算時
購入した社債は、期末時点1株90から100に上昇した。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 有価証券 | 100① | 有価証券評価益 | 100 |
①(100-90)×10株

満期保有目的債権
社債を満期まで保有する目的で取得した場合になります。
満期保有目的で購入した場合取得原価で計上なので、時価が増減しても計上は行いません。
ただし、金利調整差額がある場合決算時に計上します。
決算日後1年以内に満期償還期日:流動資産、有価証券
決算日後1年超に満期償還期日 :固定資産 投資有価証券
となります。
購入時
1株90を10株購入。額面金額は1株100。
取得金額と額面金額の差額は金利調整差額とし、定額法で償却。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 満期保有目的債権 | 900① | 現金預金 | 900 |
①@90×10株

配当金入金時
配当金15を受取った。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金預金 | 15 | 有価証券利息 | 15 |
決算時
購入した社債は、期末時点1株90から100に上昇した。
金利調整差額100を5年間で定額法により計上を行う。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 満期保有目的債権 | 20 | 有価証券利息 | 20 |
①100÷5年

その他有価証券
その他有価証券として社債を取得。
購入時
社債1株90を10株購入。額面金額は1株100。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 有価証券 | 900① | 現金預金 | 900 |
①1株90×10株
配当金入金時
配当金15を受取った。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金預金 | 15 | 有価証券利息 | 15 |
決算時
購入した社債は、期末時点1株90から100に上昇した。
法定実効税率は40%。全部純資産直入法で計上。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 投資有価証券 | 100① | 繰延税金負債 | 40 |
| ― | ― | その他有価証券評価差額金 | 60 |
①(100-90)×10株
