前提条件
期末帳簿棚卸高 :40個 単価(原価)10
実地棚卸高 :17個
不足分内訳
・火災による損失:15個
・見本品として提供:5個
・棚卸減耗費:3個
品質低下 : 2個 正味売却価額単価6
上記以外の正味売却価額:単価9
見積販売直接経費:1
棚卸減耗費および商品評価損は売上原価とする。
売上原価の算定
期末商品には、帳簿個数から原価でない災害損失個数、見本品個数を差引いた個数になります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 100 | 繰越商品 | 100 |
繰越商品 | ①200 | 仕入 | 200 |
①[40個(帳簿個数)-15個(災害損失個数)-5個(見本品個数)]×@10(1個当たり原価)
期末商品は、実地棚卸高20個×原価10=200となり、結果売上原価は900となりました。
しかしこのままですと、火災損失、見本品費が売上原価に算入されてしまいます。
そこで、他勘定振替高を用いて、火災損失は特別損失へ、見本品費は販管費に振り替えます。
他勘定振替高
火災による損失した商品
火災による損失:15個 原価:10
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
災害損失 | 150 | 仕入① | 150 |
①PL上は災害損失振替高
見本品として提供した商品
見本品として提供:5個 原価:10
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
見本品費 | 50 | 仕入① | 50 |
①PL上は見本品費振替高
棚卸減耗費
期末帳簿棚卸高:20個 単価(原価)10
実地棚卸高 :17個
帳簿上では20個でしたが、期末実地棚卸調査では17個でした。
この差額が棚卸減耗費となります。
単価は原価である10を用います。
@10×(20個-17個)=30
費用として棚卸減耗費を計上し、商品が減少したので繰越商品を減少させます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
棚卸減耗費 | 30 | 繰越商品 | 30 |
品質低下分
期末帳簿棚卸高:20個 単価(原価)10
品質低下 : 2個 正味売却価額単価6
見積販売直接経費:1
正味売却価額は、売価-(見積追加製造原価+見積販売直接経費)なので、
5(正味売却額)=6(売価)-1(見積販売直接経費)
原価単価10に対し、正味売却価額が5なので減額分が品質低下となります。
品質低下の品物が2個あることから
(@10-@5)×2個=10
となります。
費用として商品評価損を計上し、商品価値が減少したので繰越商品を減少させます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
商品評価損 | 10 | 繰越商品 | 10 |
その他正味売却価額を下回った場合
期末帳簿棚卸高 :20個 単価(原価)10
実地棚卸高 :17個
品質低下 : 2個 正味売却価額単価6
上記以外の正味売却価額:単価9
正味売却価額は、売価-(見積追加製造原価+見積販売直接経費)なので、
8(正味売却額)=9(売価)-1(見積販売直接経費)
原価単価10に対し、正味売却価額が8なので減額分が評価損となります。
数量は、実地棚卸17個-品質低下2個=15個となります。
(@10-@8)×15個=30
費用として商品評価損を計上し、商品価値が減少したので繰越商品を減少させます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
商品評価損 | 30 | 繰越商品 | 30 |