はじめに
キャッシュ・フロー計算書で直接法と間接法の営業活動によるキャッシュ・フローの小計はなぜ一致するのか。
結論からいうと、直接法C/Fでは、現金の動きを計上しているのに対し、税引前当期純利益から始まる間接法では、営業外損益、特別損益を除去して営業活動によるキャッシュ・フロー(営業利益)まで導いた後、各項目において現金の動きのないものは除去し、現金の動きを計上しているので、一致するといえます。
これを見ていきます。
記事を
①営業収入
②商品仕入
③人件費支出(退職給付引当金、給与・賞与)
④その他営業支出、間接法のみの調整
の4記事に分けています。
本記事では、①営業収入を記述します。
資料
C/F間接法小計とP/L営業利益の一致
間接法
間接法は、P/Lの税引前当期純利益から始まっています。
ということは、内訳は、P/Lで構成されているということです。
営業外損益、特別損益を除去して、間接法の小計と、P/Lの営業利益を一致させます。
C/F間接法小計と、P/L営業利益の一致させる方法
方法として、C/F間接法に、P/L営業外損益と特別損益を、
・収益はマイナス
・費用はプラス
することにより、C/F間接法小計と、P/L営業利益と一致させることができます。
営業収入
仕訳は次のようになります。
売掛金 10,000 / 売上 10,000
債権の現金入金時
現金預金 9,500 / 売掛金 9,500
債権の現金入金時
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金預金 | 9,500 | 売掛金 | 9,500 |
債権現金収入は9,500なので、直接法と間接法にあてはめます。
現金の受取のため、プラス計上となります。
売上除去
間接法
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 10,000 | 売上 | 10,000 |
間接法では、税引前当期純利益から始まっています。
その内訳として、売上高には上記の仕訳が含んでいます。
しかし、この仕訳からお金の動きはありません。そのため、除去する必要があります。
売上は収益なので、除去するということはマイナス要因となります。
直接法、間接法の一致の検証
最後に直接法と間接法のキャッシュ・フロー小計が一致しているかを検証します。
間接法の小計は、売上原価、販管費が含まれているので、逆算して除去します。
結果、上記のように直接法と間接法の小計が一致しました。