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【会計原則】一般原則


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一 真実性の原則

企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して真実な報告を提供するものでなければならない。

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二 正規の簿記の原則

 企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。

(注1)重要性の原則の適用について
企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも、正規の簿記の原則に従った処理として認められる。
 重要性の原則は、財務諸表の表示に関しても適用される。
 重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。
(1)消耗品、消耗工具器具備品その他の貯蔵品等のうち、重要性の乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。
(2)前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。
(3)引当金のうち、重要性の乏しいものについては、これを計上しないことができる。
(4)たな卸資産の取得原価に含められる引取費用、関税、買入事務費、移管費、保管費等の付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる。
(5)分割返済の定めのある長期の債権又は債務のうち、期限が1年以内に到来するもので重要性の乏しいものについては、固定資産又は固定負債として表示することができる。




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三 資本取引・損益取引区分の原則

 資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。

(注2)資本取引と損益取引との区別について
(1) 資本剰余金は、資本取引から生じた剰余金であり、利益剰余金は損益取引から生じた剰余金、すなわち利益の留保額であるから、両者が混同されると、企業の財政状態及び経営成績が適正に示されないことになる。
従って、例えば、新株発行による株式払込剰余金から新株発行費用を控除することは許されない。
(2) 商法上資本準備金として認められる資本剰余金は限定されている。
従って、資本剰余金のうち、資本準備金及び法律で定める準備金で資本準備金に準ずるもの以外のものを計上する場合には、その他の剰余金の区分に記載されることになる。




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四 明瞭性の原則

 企業会計は、財務諸表によって利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。

(注1)重要性の原則の適用について
企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも、正規の簿記の原則に従った処理として認められる。
 重要性の原則は、財務諸表の表示に関しても適用される。
 重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。
(1)消耗品、消耗工具器具備品その他の貯蔵品等のうち、重要性の乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。
(2)前払費用、未収収益、未払費用及び前受収益のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定項目として処理しないことができる。
(3)引当金のうち、重要性の乏しいものについては、これを計上しないことができる。
(4)たな卸資産の取得原価に含められる引取費用、関税、買入事務費、移管費、保管費等の付随費用のうち、重要性の乏しいものについては、取得原価に算入しないことができる。
(5)分割返済の定めのある長期の債権又は債務のうち、期限が1年以内に到来するもので重要性の乏しいものについては、固定資産又は固定負債として表示することができる。

(注1-2)重要な会計方針の開示について
財務諸表には、重要な会計方針を注記しなければならない。
会計方針とは、企業が損益計算書及び貸借対照表の作成に当たって、その財政状態及び経営成績を正しく示すために採用した会計処理の原則及び手続並びに表示の方法をいう。
会計方針の例としては、次のようなものがある。
イ 有価証券の評価基準及び評価方法
ロ たな卸資産の評価基準及び評価方法
ハ 固定資産の減価償却方法
二 繰延資産の処理方法
ホ 外貨建資産・負債の本邦通貨への換算基準
へ 引当金の計上基準
ト 費用・収益の計上基準
代替的な会計基準が認められていない場合には、会計方針の注記を省略することができる。

(注1-3)重要な後発事象の開示について
財務諸表には、損益計算書及び貸借対照表を作成する日までに発生した重要な後発事象を注記しなければならない。後発事象とは、貸借対照表日後に発生した事象で、次期以後の財政状態及び経営成績に影響を及ぼすものをいう。重要な後発事象を注記事項として開示することは、当該企業の将来の財政状態及び経営成績を理解するための補足情報として有用である。
重要な後発事象の例としては、次のようなものがある。
イ 火災、出水等による重大な損害の発生
ロ 多額の増資又は減資及び多額の社債の発行又は繰上償還
ハ 会社の合併、重要な営業の譲渡又は譲受
二 重要な係争事件の発生又は解決
ホ 主要な取引先の倒産

(注1-4)注記事項の記載方法について
重要な会計方針に係る注記事項は、損益計算書及び貸借対照表の次にまとめて記載する。
なお、その他の注記事項についても、重要な会計方針の注記の次に記載することができる。




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五 継続性の原則

 企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。

(注1-2)重要な会計方針の開示について
財務諸表には、重要な会計方針を注記しなければならない。
会計方針とは、企業が損益計算書及び貸借対照表の作成に当たって、その財政状態及び経営成績を正しく示すために採用した会計処理の原則及び手続並びに表示の方法をいう。

(注3)継続性の原則について
企業会計上継続性が問題とされるのは、1つの会計事実について2つ以上の会計処理の原則又は手続の選択適用が認められている場合である。
このような場合に、企業が選択した会計処理の原則及び手続を毎期継続して適用しないときは、同一の会計事実について異なる利益額が算出されることになり、財務諸表の期間比較を困難ならしめ、この結果、企業の財務内容に関する利害関係者の判断を誤らしめることになる。
従って、いったん採用した会計処理の原則又は手続は、正当な理由により変更を行う場合を除き、財務諸表を作成する各時期を通じて継続して適用しなければならない。
なお、正当な理由によって、会計処理の原則又は手続に重要な変更を加えたときは、これを当該財務諸表に注記しなければならない。




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六 保守主義(安全性)の原則

 企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。

(注4)保守主義の原則について
企業会計は、予測される将来の危険に備えて、慎重な判断に基づく会計処理を行わなければならないが、過度に保守的な会計処理を行うことにより、企業の財政状態及び経営成績の真実な報告をゆがめてはならない。
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七 単一性の原則

 株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。