連結会計の期末棚卸資産、未実現の消去の流れを見ていきます。
この記事の仕訳は、本記事の主目的である、未実現の消去の期末棚卸を中心に見ていきます。
またなぜ、未実現利益消去時に税効果会計を適用するかを検証していきます。
それでは仕訳を見ていきます。法定実効税率は40%とします。
2期目
2期目 期中
親会社が子会社へ売上時
親会社
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 80 | 売上 | 80 |
子会社が親会社から仕入時
子会社
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 80 | 買掛金 | 80 |
個別 決算時
売上原価の算定
親会社
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 300 | 繰越商品 | 300 |
繰越商品 | 200 | 仕入 | 200 |
子会社
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 100 | 繰越商品 | 100 |
繰越商品 | 80① | 仕入 | 80 |
①すべて親会社からの仕入分
連結修正仕訳
売上、売上原価の相殺
連結会社間での取引の売上原価、商品の相殺を行います。
子会社の期末商品80はすべて親会社からの仕入分
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売上原価 | 80 | 商品 | 80 |
法人税等調整額の計上
法定実効税率をかけたものと不一致
連結精算表の税引後当期純利益232と、税引前当期純利益440に法定実効税率40%をかけた結果の税引後当期純利益264と不一致生じています。
これは連結修正により、費用の減額を計上したにもかかわらず、法人税等はすでに会社別で確定しているため、変動しないことから不一致が生じています。
法人税等調整額を計上
法人税等調整額を計上することにより、調整します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
繰延税金資産 | 32 | 法人税等調整額 | 32① |
①売上原価80×40%(法定実効税率)
非支配株主持分負担
連結修正仕訳による損益変動分を、持株比率で非支配株主に振替
費用80(売上原価)-費用32(法人税等調整額の減額)=費用48
利益48に支配株主持分割合20%を非支配株主持分に増額します。
小数点以下は切捨。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
非支配株主持分当期変動額 | 9 | 非支配株主損益 | 9① |
①48×20%=9.6→9
上記で2期目を見ました。
次ページで翌期(3期目)を見てきます。
当期末仕訳が翌期首仕訳で変わっていくところを注目してください。