外貨取引は、原則として、当該取引発生時の為替相場による換算額を用います。
決算時の処理
外国通貨
外国通貨については、決算時の為替相場による換算額を用います。
貨建金銭債権債務
外貨建て金銭債権債務については、決算時の為替相場による換算額を用います。
換算差額の処理
決算時における換算によって生じた換算差額は、原則として、当期の為替差損益として処理します。
決済に伴う損益の処理
外貨建金銭債権債務の決済に伴って生じた損益は、原則として、当期の為替差損益として処理します。
SR(スポットレート) :直物取引相場
FR(フォーワードレート) :先物取引相場
HR(ヒストリカルレート) :取引時相場
CR(カーレントレート) :決算時相場
AR(アベレージレート) :期中平均相場
HC(ヒストリカルコスト) :外国通貨による原価
CC(カレントコスト) :外国通貨による時価原価
輸出時
輸出時
外国に20ドルで輸出
1ドル=100
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 2,000① | 売上 | 2,000 |
①@100×20ドル
入金時
売掛金20ドルのうち、10ドルが入金
1ドル=90
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金預金 | 900② | 売掛金 | 1,000① |
為替差損 | 100③ | - | - |
①@100×10ドル
②@90×10ドル
③差額
決算時
10ドルが未決済
1ドル=110
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 100① | 為替差益 | 100 |
①(@110-@100)x10ドル
決算時100増加しているので、売掛金を増加させる
輸入時
輸入時
外国から10ドルを掛けで輸入。
1ドル=100
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕入 | 1,000 | 買掛金 | 1,000① |
①@100×10ドル
支払時
買掛金10ドルのうち1ドルを支払
1ドル=90
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
買掛金 | 100① | 現金預金 | 90② |
- | - | 為替差益 | 10③ |
①仕入時レート@100×1ドル
②支払時レート@90×1ドル
③差額
決算時
9ドルが未決済
1ドル=110
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
為替差損 | 90 | 買掛金 | 90① |
①(@110-@100)x9ドル
決算時90増加しているので買掛金を増加させる
前受金を受取った場合
前受金受取時
外国企業A社に商品を販売する契約し、前受金1ドルが入金。
為替相場は1ドル=100
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金預金 | 100① | 前受金 | 100 |
①@100×1ドル
販売時
外国企業A社に商品10ドルを販売し、前受金との差額は掛けとした。
為替相場は1ドル=105
前受金分
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
前受金 | 100① | 売上 | 100 |
①販売時に振替。前受金は非貨幣なので再評価は行わない。
売掛金分
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
売掛金 | 945① | 売上 | 945 |
①@105×[(10ドルー1ドル(前受金)]
売掛金入金時
売掛金残額9ドルが入金。
為替相場は1ドル=110
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
現金預金 | 990① | 売掛金 | 945 | - | - | 為替差益 | 45② |
①@110×9ドル=990
②差額