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外貨建有価証券



外貨建有価証券 仕訳まとめ
外貨建有価証券 仕訳まとめ

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売買目的有価証券

会計基準

売買目的有価証券及びその他有価証券については、外国通貨による時価を決算時の為替相場により円換算した額を付する。

外貨建取引等会計処理基準 一 外貨建取引 2.決算時の処理 (1)換算方法 ③外貨建有価証券 ロ より



時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券(以下「売買目的有価証券」という。)は、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益として処理する。

金融商品に関する会計基準 Ⅳ.金融資産及び金融負債の貸借対照表価額等 2.有価証券 (1)売買目的有価証券 15. より

期末評価の求め方

(期末時価-取得原価)×決算時為替相場




仕訳 決算時

当期首に売買目的で有価証券10ドルを、1ドル=90円で取得。
期末時価は11ドルで、期末時1ドル=100円

借方 金額 貸方 金額
有価証券 200① 有価証券評価損益 200

①(11ドル×100)-(10ドル×90)

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満期保有目的債権

会計基準

満期保有目的の外貨建債券については、決算時の為替相場による円換算額を付する。

外貨建取引等会計処理基準 一 外貨建取引 2.決算時の処理 (1)換算方法 ③外貨建有価証券 イ より



外貨建金銭債権債務及び外貨建債券について償却原価法を適用する場合における償却額は、外国通貨による償却額を期中平均相場により円換算した額による。

外貨建取引等会計処理基準 注9 償却原価法における償却額の換算について より



満期まで所有する意図をもって保有する社債その他の債券(以下「満期保有目的債券」という。)は、取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、債券を債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得価額と債券金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法に基づいて算定された価額をもって貸借対照表価額としなければならない。

金融商品に関する会計基準 Ⅳ.金融資産及び金融負債の貸借対照表価額等 2.有価証券 (1)売買目的有価証券 15. より

期末評価の求め方

金利調整差額
 (金利調整差額(ドル)÷償却年数)×期中平均相場
期末評価
 A-B
 A:[取得原価(ドル)+金利調整差額(ドル)]×決算時為替レート
 B:取得原価(円)+金利調整差額(ドル)×期中平均相場




仕訳

取得時
当期首に取得
額面金額100ドル
取得価額:90ドル
取得時レート:1ドル=100円

借方 金額 貸方 金額
投資有価証券 9,000① 現金預金 9,000

①90ドル×@100



決算時
決算時レート:1ドル=105円
期中平均レート:1ドル=103円
5年で償却
金利調整差額償却

借方 金額 貸方 金額
投資有価証券 206① 有価証券利息 206

①(金利調整差額(ドル)÷償却年数)×期中平均相場
(100ドル-90ドル)×12ヶ月÷60ヶ月=2ドル
 円換算:2ドル×103円(期中平均レート)=206



決算時レート換算

借方 金額 貸方 金額
投資有価証券 454① 為替差益 454

①A-B
 A:[取得原価(ドル)+金利調整差額(ドル)]×決算時為替レート
(90ドル+2ドル)×105=9,660
 B:取得原価(円)+金利調整差額(ドル)×期中平均相場
9,000+2ドル×103=9,206

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その他有価証券

会計基準

その他有価証券に属する債券については、外国通貨による時価を決算時の為替相場で換算した金額のうち、外国通貨による時価の変動に係る換算差額を評価差額とし、それ以外の換算差額については為替差損益として処理することができる。

外貨建取引等会計処理基準 注10 その他有価証券に属する債券の換算差額の処理について より



売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券(以下「その他有価証券」という。)は、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は洗い替え方式に基づき、次のいずれかの方法により処理する。
(1) 評価差額の合計額を純資産の部に計上する。
(2) 時価が取得原価を上回る銘柄に係る評価差額は純資産の部に計上し、時価が取得原価を下回る銘柄に係る評価差額は当期の損失として処理する。
なお、純資産の部に計上されている、その他有価証券の評価差額については、脆化公会計を適用しなければならない。

金融商品に関する会計基準 Ⅳ.金融資産及び金融負債の貸借対照表価額等 2.有価証券 (1)売買目的有価証券 15. より

期末評価の求め方

金利調整差額
(金利調整差額(ドル)÷償却年数)×期中平均相場
期末評価
 A-B
 A:時価(ドル)×決算時為替レート
 B:取得原価(円)+金利調整差額(ドル)×期中平均相場




仕訳

当期首に取得
額面金額100ドル
取得価額:90ドル
取得時レート:1ドル=100円
税効果を適用し、法定実効税率は40%で小数第一位を四捨五入

取得時

借方 金額 貸方 金額
投資有価証券 9,000① 現金預金 9,000

①90ドル×@100


決算時

決算時レート:1ドル=105円
期中平均レート:1ドル=103円
5年で償却
時価は95ドル

金利調整差額償却

借方 金額 貸方 金額
投資有価証券 206① 有価証券利息 206

①(金利調整差額(ドル)÷償却年数)×期中平均相場
当期金利調整:(100ドル-90ドル)×12ヶ月÷60ヶ月=2ドル
 円換算:2ドル×103円(期中平均レート)=206

決算時レート換算

借方 金額 貸方 金額
投資有価証券 769① 繰延税金負債 308②
その他有価証券評価差額金 461③

①A-B
=9,975-9,206=769
A:決算時為替レート×時価(ドル)
@105×95ドル=9,975
B:取得原価(円)+金利調整差額(ドル)×期中平均相場
9,000円+2ドル×@103=9,206
②769×40%
③差額